2010年10月7日神奈川新聞掲載



「心に暖かい音楽を」

 

ブラジルのグラストンと初共演
ピアニスト・鬼武みゆき

 横濱ジャズプロムナードへの出演が13回目となる、市内在住の作曲家でピアニストの鬼武みゆき。今年は、ブラジル出身で全盲のシンガー、ギタリストのグラストン・ガリッツァと9日午後5時40分(予定)、関内ホール小ホールで初共演する。
 2人は2008年に知りあった。「わたしのアルバムを聴いたグラストンが、『好きなピアニストのピアノを思いだした。感動した』と連絡をくれて、それから共作をするようになりました」と鬼武。インターネットで鬼武が曲を送り、グラストンが詩を付ける。
 2人による楽曲は、都会的でありながらも、ぬくもりあふれた前向きなメロディーに、ポルトガルの詩が優しく響く。ボサノバ調の作品も。今年4月には、スペインでデュオを組み、初ライブとレコーディングを行った。
 これと同時期に無料のキッズコンサートも始めた。理系の大学に進み、一度は一流企業に務めながら退社、ピアノの道に進んだ自らの歩み。
これを通して「自分のやりたいことを見つけたら、やっていいんだ」というメッセージを子供たちに伝えたいという。
 人々を励ましたいと活動を続ける鬼武。グラストンとの共演について「言葉の壁があるが、彼とは表現することの核、方向性が一緒。不況などで皆生活が大変だが、1人でも多くの人が聴いて心に暖かいものを感じてもらえれば」と笑顔を浮かべた。
 2人の公演ハジャズプロムナードの後、16日にかながわアートホール(保土ヶ谷区)、17日にはモーションブルーヨコハマ(中区)でも行われる。